KAiGO Design Award KAiGO Design Award

2026 プロダクトデザイン部門(介護)最優秀賞

SUSUGU

牛乳石鹼共進社株式会社

服を着たまま洗髪出来るポータブル洗髪デバイス

SUSUGU

製品・サービス紹介

石鹸メーカーの牛乳石鹼が、初の家電製品を開発しました。入浴が難しい要介護者でも、ベッド上や車いす上で洗髪できるポータブル洗髪デバイスセットです。ミストブラシとミストシャンプーで皮脂汚れを浮かせ、タオルで拭き取って仕上げます。災害時にも役立ち、携行性と清潔さを両立しながら、ケアする側の負担を軽減します。

受賞コメント

「いつでもどこでも心地よい清潔を届ける」という私たちの挑戦が評価されたことを大変嬉しく思います。今後もお客様の声から学び、より多くの方へSUSUGUをご体験いただくことで「新しい清潔のカタチ」の普及に取り組んでまいります。

審査委員講評

藤吉 千絵 氏
商品体験会で実際に拝見し、その発想と完成度に大変驚かされました。本商品は介護分野にとどまらず、病気の方の生活支援や災害時など、さまざまな場面で活用できる可能性を持ち、多くの方の困りごとや課題の解決につながる素晴らしい商品だと感じました。また、本来の事業で培ったアイデアを活かしながら新たなプロダクト開発に挑戦されている企業姿勢にも深く感銘を受けました。
遠田 悟 氏
服を着たまま洗髪できるという発想は、入浴困難者の清潔保持を日常的ケアへと引き戻す革新的な提案です。介護負担軽減と利用者の快適性を同時に実現し、在宅・施設・災害時まで活用可能な汎用性も高く評価しました。現場課題から生まれた実装力の高いデザインです。
企業名

牛乳石鹼共進社株式会社

プロダクト名
SUSUGU
出場・受賞歴
2026 プロダクトデザイン部門(介護)最優秀賞

インタビュー

KAiGO Design Award プロダクトデザイン部門(介護)最優秀賞 牛乳石鹸共進社株式会社 受賞者インタビュー

牛乳石鹸共進社株式会社 受賞者インタビュー

なぜこのアワードに応募したのですか?

この製品は昨年9月に発売を開始したばかりで、新規性が非常に高い商品です。まずは多くの方に知っていただくことが最優先の課題でしたが、それと同時に、介護施設の職員の方に実際に手に取って触れていただき、現場のリアルなフィードバックをもとにさらに良いものにしていきたいという強い思いがありました。そんな中、展示会での体験機会を通じてイオンリテール株式会社様からこのアワードをご紹介いただき、まさに自分たちが求めていた場だと感じて、ぜひ挑戦したいと思ったのがきっかけです。

また、私たちは石鹸・洗浄料メーカーとして長年やってきた会社であり、介護領域に本格的に踏み込むのは今回が初めてに近い挑戦でした。業界の常識や慣習をよく知らないからこそ、逆に「常識がない状態で踏み込める」強みがあるのではないかと感じていたんです。介護というとどこかネガティブなイメージが持たれがちな現状がある中で、そういった固定観念にとらわれない視点から生まれた商品を、介護の専門家の方々にフラットに評価していただきたいという思いもありました。自分たちのアプローチが本当に介護現場の課題に応えられているのかを、第三者の目線で確かめる場としても、このアワードへの挑戦は大きな意味を持っていました。

「介護の常識を知らない。だからこそ挑戦できた。」 そう振り返る、
牛乳石鹸共進社株式会社の江越さん
「まずは、多くの方に知っていただくことが必要だった。」
介護領域への挑戦について、率直に語った。

このアワードを通して自社にどんなメリットがありましたか?

率直に言うと、想定以上の反響がありました。受賞後、以前から繋がりのあった方々がプレスリリースを見て久しぶりに連絡をくださったり、「おめでとうございます」という声とともに新たなやり取りが始まったりと、エントリー前とはまったく違う景色が広がりました。アワードという形で社会的に認められることが、これほどまでに対外的なコミュニケーションの起点になるのかと、改めてその認知力と影響力を実感しました。具体的には弊社と団体の両方からプレスリリースを発信していただいたことで、広く目に触れる機会が生まれ、これがさまざまな反響の呼び水になったと感じています。

社内への効果も、予想以上に大きいものがありました。私たちは少人数のチームで新規事業として取り組んでいるのですが、新規事業というのはどうしても既存事業の流れから外れたところで動いているため、社内から「何をやっているかよくわからない」と見られがちです。そういった状況の中で、社外からきちんと評価されたという事実は、チーム全体にとって大きな自信になりました。メンバーそれぞれが「自分たちのやってきたことは間違っていなかった」「多くの方に認めていただける取り組みだったんだ」という手応えを感じられたことは、これからの活動を進めていく上での確かな支えになっています。社内イントラや社内報でも受賞を取り上げてもらえたことで社員からの声がけも増えましたし、ホームページへの受賞ロゴ掲載も実現しました。「私たちの独りよがりではなく、介護の分野からきちんと評価されている」という事実は、社内外どちらに対しても大きな説得力を持つ強みになっています。

さらに、このアワードならではだと強く感じたのが、審査のプロセスに体験が組み込まれていた点です。見た目のデザインだけではなく、「実務として本当に使えるかどうか」を、介護職のプロの方々が実際に手を動かして確かめてくださる。そこで得られる評価は、他のアワードとは重みが違うと感じました。私たちの商品は、見るより触ってみて初めてその良さが伝わるものなので、体験を通じた審査というスキームは非常にありがたかったです。

また、同じ介護という課題に対して、それぞれ異なるアプローチで挑んでいる企業の皆さんと一堂に会せたことも、大きな収穫でした。「こういう切り口で解決するんだ」「こんな視点があるのか」という気づきの連続で、大きな刺激をいただきました。同じ課題に向き合うプレイヤーたちとつながれたことは、数字では測れない心強い支えになっています。

「見るだけでは伝わらない価値がある。」
“体験”を重視した開発思想がそこにある、と語る代表理事のベティ。
「想定以上の反響がありました。」 受賞後の変化を聞き、笑顔を見せた理事の小口

これからチャレンジする人に一言

介護という課題は、突き詰めれば社会全体のニーズそのものです。少し見方を変えれば、これほど明確で切実なニーズが目の前にある領域は、そう多くはないと思っています。人数は少なくても課題が深い方たちに対して本当の解決策を届けられるということは、世の中に対して大きなインパクトを与えられることだと信じていますし、私たちの商品もそういうものでありたいと思って開発しています。

同時に、このアワードを通じて感じたのは、一人でできることの限界と、仲間がいることの力です。同じ課題に向き合っている企業がこんなにいるんだと知るだけで、前に進む勇気になります。しかも、それぞれがまったく違う切り口で解決に挑んでいる。そういう仲間たちと出会い、刺激し合える場がこのアワードにはあります。

まだ諦めていること、我慢していること、そのままにしていることが、介護現場にはたくさんあります。でも、それは変えられる。そう信じて一歩踏み出してほしいと思います。ぜひ応募していただきたいです。

「まだ諦めていることは、きっと変えられる。」 その言葉に、今回の挑戦の意味が表れていた。
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